保育士をしていると子どもだけをみていればいいと思われがちなのですが、
そういうわけにもいきません。
子どもには必ず保護者がついてきます。
子どもの対応も大変ですが、
保護者の対応はもっと大変です。
しかも保育的な指導をすべき保護者も多いのが現状です。
どんなことに気を付け、どんなタイミングが適しているのでしょうか?
保育指導が必要な保護者について
保護者支援はそもそも保育士として大切な役割の一つ。どんな保護者にでも寄り添って支援していくことは必要です。特に近年、子どもたちを取り巻く家庭環境はより複雑となり、保育士は子どもたちのお世話のみでなく、家族支援を行うことも重要となっています
またインターネットやスマートフォンの普及で、身の回りには情報があふれ、いったい何を信じたらいいのかわからないと困惑している保護者の方もまた、多くなってきています。
一方で発達障害がある、子どもに障害の疑いがある、精神疾患がある、言語や文化が異なる、虐待やDVの可能性がある、離婚協議中、ひとり親家庭…など、特別に配慮が必要な保護者もいます。
そういった方々も含めて、時には保育のプロとして保護者の指導や支援をすることもあります。
では保育指導までいる保護者とはどんな人なのでしょうか?
保護者から質問がある場合
保護者はいつも「これでいいのかな?」と悩んでいるものです。預けている子どもが1人目であればなおさらです。
その質問の内容は様々です。年齢によりますが、よくある育児の悩みですね。
発達のこと、トイトレのこと、好き嫌いのこと、友だちとのことなどなど
保護者からの質問があれば保育士は答える感じです。
子どもの様子をみておかしいなと思ったとき
保育園内での子どもの様子をみて、おかしいなと感じたら保護者に話をします。
キッカケとなる子どもの様子は、
- 友だちをたたくなどの暴力行為が続く
- 不安から泣くことが多くなった
- 以前は進んであそんでいたが、全く興味を示さなくなった
- いぜんと比べて明らかに様子がおかしい
- 障害を疑う行動がみられる
などですね。
もちろんこのような行動が1度見られたからといって、すぐに保護者に話をしたりはしません。
子どもの様子をじっくり観察し、ほかの先生も目でも見てもらった上で判断します。
保護者の様子が気になったとき
保護者の様子も常に保育士は確認しています。
- いつもと様子がおかしい
- 子どもに対してイライラしている様子
- 保育園のルールを守れていない
などの様子があれば機会をうかがって声をかけます。
保育指導の際に気をつけるべきこと
保育指導だからといつでもどんな状況でも伝えていいわけではありません。
まずは気軽に話しかける
重い雰囲気では保護者の方も身構えてしまって、本当の部分を引き出せない可能性があります。
まずはフランクに日常の会話から話すようにしましょう。
保護者の思いをじっくり聞く
次にじっくり保護者の思いを聞ききます。
子どものことに関わらず、保護者自身の悩みも聞くことで、子どもたちに対する態度やしつけ方などの理由が見えてくることが多くあります。
また、こちらが話していると保護者の方も意見があるのでかぶせて話をしてきます。
そんな時に保護者の言葉を遮るのではなく、しっかり聞いてください。
「気持ちはわかるよ」という気持ちをもって真剣にきいてあげましょう。
保護者の 頑張りを認める
保護者の言葉の内容の意図はほとんどの場合、「私はこんなに頑張っている」というところです。
ですから、まずは保護者の苦労をくみ取って努力を認めてあげてください。
こちらの意向を伝え理解してもらう
保護者の気持ちを受け止めたり、努力を認めるだけで終わってしまってはいけません。
伝えるべきことはしっかり伝えましょう。
そして、言うだけでなく理解してもらえるようにこちらも努力しましょう。
普段から気をつけておくこと
何があったんですか、どうしたんですか、と話しかけられること、そのタイミングを毎日定期的に作っていくことが大事です。
会話ができるようになったら、まずは否定しないで一度受け入れた上で、こちらの意見、考えを話すようにすることも大事です。
保護者の方の自信を損なわないように気を付けることで、親としてのプライドを認めつつ、前向きに子育てできるような言葉をかけていきましょう。
また、自分の考えを押し付けないことも気を付けましょう。何か意見を言うときも、いったん持ち帰って自分の判断ではなく、園長や主任に相談した上で保護者に伝えるようにしましょう。
伝えるタイミングについて
どんなに親身になって話そうとおもっていてもタイミングを1つ間違えると全く聞き入れてもらえません。
まずはゆとりのあるときを見計らうことが大切です。
忙しい時はイライラしてることもあるでしょうから、絶対にNGですよ。
保護者の表情も読み取りながら、リラックスして話せる環境を整えましょうね。
もしくは、普段から毎日会話する信頼関係ができていれば、保護者の様子も落ち着いている帰り際などが、気になることがあれば話を切り出すタイミングでしょう。
まとめ
保護者に何か伝えるというのは、保育士にとっても難しいことですよね。
でも同じくらい保護者も避けたいことです。
そんな思いも考えながら、ポイントを押さえてほかでもない「お子さんのために」できることを保護者と考えていく機会を作ってくださいね。