保護者と保育士のお互い見えない時間を繋いでくれる連絡帳。
日々積み重ねていった連絡帳は子供にも保護者にも将来の宝物になるでしょう。そんな重要なツールは時に誤解を招いたり、書くことが重荷になったりするケースもあります。
そんな事態を避けるために、連絡帳の書き方のコツを探っていきましょう。
連絡帳の文章って!?
基本ですが、相手に伝わる文字、文章表現で書いていきましょう。
連絡帳の内容を長く書いても、短く書いてもそれは文章として保護者が読むものです。
ですから、まずは文章のスタイル5W1Hを軸に文章を組み立てます。いつ、どこで、誰が、何を、どのように?とポイントを押さえるとより伝わる文章になりますね。
そして連絡帳は手書きがほとんどです。私は手書き文字には自信がないので連絡帳を書くことは恥ずかしいですが、多くの保育士は文字が上手だなと思いますし、読む方も気持ちがいいですね。
簡単なペン習字の冊子もあるのでそれで練習するのもいいかもしれません。
まずは何を書く?保護者は何を書く?
連絡帳を書く時間帯にもよりますが、その日に一番印象に残ったトピックを書いてみましょう。
例えば以前こんなことを連絡帳に書きました。
乳児さん3人を乳母車に乗せて少し遠出のお散歩の行った時。昔ながらの籐で出来たワゴンタイプの乳母車です。その中の一人で8ヶ月の男の乳児さんは、ずっと乳母車の車輪を見ていました。飽きることなくただ無言で下を向いて見ていました。
他の子供は景色を見たりお友達とじゃれたりしてたのに、その子は車輪に夢中でした。なんだかとっても微笑ましかったので早速、連絡帳にそのことを書きました。
今日トピックはこれだ!と思ったからです。
お迎えの時その連絡帳をその場で読まれた保護者は「そうなんですか?なんでだろう」と笑いながら言ってらっしゃいました。なので私は「もう少し大きくなったら車とか電車に興味が出てくるかもしれませんね」とお話して保護者とのコミュニケーションが出来ました。
本当に些細なことですが私は面白いなと思いました。大きなレトロな乳母車にお友達さんとお散歩なんて、普段のご家庭の生活では経験のないことでしょう?保護者もその光景を見たかっただろうなと思います。
そういった保護者が目に出来なかったことを文章に記録して保護者に伝えるのが連絡帳の役割の一つです。 こういった微笑ましいトピックばかりでなく、絵本やぶったとかマイナスな出来事もありますが、破ってしまったことによってみんなが使うものは大切にすることを学んで漏れましたと言い換えて、プラス要素にして連絡帳には書くようにすると保護者も前向きになれますね。
また、保護者からは保育士に伝えたいこと、相談したいこと、クレーム?みたいなことが書かれていることもあります。それは些細なことでもとても大事な情報となり、、保育の手助けとなる言葉です。
例えば、ある日7ヶ月の乳児さんの連絡帳に「今朝は5時から起きてます」という一言が書いてありました。そんな小さな子が朝の5時に起きちゃったら保護者も一緒に起きて相手をしないといけないですね。
一人遊びはまだおぼつかないし、何を口に入れるか分からないので心配ですが、付き合わされる方はしんどいですね。そのメッセージはとても重要だなと思いました。そのお保育園の連絡帳は24時間の行動を時間軸に記入していく形式で、起床・就寝・お昼寝や食事の時間、遊んだ時間を記入していきます。
前日のページを見てみると保育園でのお昼寝が午前と午後合わせて4時間ありました。多分、お昼寝し過ぎで朝の5時に起きてしまうという生活パターンが考えられます。
お迎えの時にこのお話をしてみると、あんまり朝早く起きられると眠くて仕事に差し支えてしまうので、お昼寝時間を減らしてもらえないかとお話してくださいました。それについては、他の子供とのバランスもあるし、極端には減らせないけど徐々に減らしていって、起きてる時間は思いっきり遊んでもらうということをお話をしました。
保育園のスケジュールの対してあからさまにお昼寝減らしてくださいとは言いだしにくかったようです。悩みやクレームを率直に言えず連絡帳を通じて訴えてくる保護者もいるので、そのことはしっかりと受け止めたいです。
子供の難点、伝えたい時は?
保育園の生活も毎日平和に過ごせるってことはないです。子供同士のケンカ、怪我、トラブルなどなどいろいろあります。
これらを連絡帳に書いて伝えるコツは、短く簡潔に書いて、詳細は言葉でちゃんと説明するという方法がお薦めです。ケンカは相手あっての事ですし、怪我やトラブルは解決してない場合もあって様々なケースがあります。
それを限られた連絡帳に書ききるのは時間もかかり、言葉の選択を謝ると誤解を招いてしまいます。
こんなケースがありました。
7ヶ月の乳児のお昼ご飯のお世話をしてる途中、人参を喉に詰まらせてしまい、逆さまにして背中を叩いて吐き出させるという、大変な出来事がありました。連絡帳にはその時間と対処法とその後の過ごし方をいつもより細かく書きましたが、それだけでは足りないのでお迎えの時に詳細を説明しました。
保護者とじっくりお話も出来て連絡帳にも記録を残しましたと一言伝えることができたので安心しました。
いつ書くの?
いくら仕事とはいえ文章を書くことが苦手な保育士は多いのでは? 毎日多忙な業務のなかで苦手な作業をすることは苦痛になってしまいますね。
でもやるべきことは一つ。今日の子供のトピックを見つけてメインを決めましょう。
保護者に伝えたいことをまず1つ決めて骨組みを固めます。サブのトピックとして食事中やお着替え、お昼寝の姿などは注意して覚えておくとよいです。
そしていつ書くか。保育園のシステムや連絡帳の形式にもよって書き方が異なりますが、 今日はこのことを書こうと大体を頭に描いておいて、空いた時間があったらテキパキ書いてしまう。時々煮詰まってしまって書けなくなる時はありますが、その時は他の保育士と連携してあの子何をしてた?とか情報交換していくとよいでしょう。
あんな事、こんな事がわかって助かりますよ。全員の子供の生活を見届けることは難しいですよね。
まとめ
保育園の業務はあっという間に1日が過ぎて、やりきった感なのかやり残し感なんだかよく分からないくらい忙しいです。
その中でいかにルーティンワークである連絡帳の業務をこなすかは、難しいところです。
ポイントをいくつか挙げて見ました
- その日のトピックを軸に書く
- 他の保育士と子供の情報を連携する
- 何を書こうか頭の片隅で常に考える
- 書いた方がいい内容と、口頭で伝えた方がいい内容を区別する
- マイナスなこともプラスに捉えて書く
- 読みやすい文字、文章表現を心掛ける
毎日ハプニングばかりでは困りますが、子供は毎日成長するもの。
その様子を連絡帳へ 書き残す作業は保育士の特権かなと思います。
保護者との情報交換にもなる連絡帳はお互いにとって良き助けとなるでしょう。